在宅医療で培った医療資源を
外来診療に活かし
地域のかかりつけ医を目指す。

新宿ヒロクリニック院長 英 裕雄

#07 在宅医療機関は、地域の人たちが抱える様々な問題のソリューションを提供できます。

新宿ヒロクリニックの英 裕雄院長は、「地域におけるかかりつけ医の役割とは、地域を健全にすること。健康な地域づくりを進めていくことだと考えています。ですから、疾病だけにとどまらず、患者さんを取り巻く社会問題にもアプローチせざるを得ないと思っています。」と語る。

在宅医療の延長線として外来診療を捉え、開業以来21年間、在宅医療で養ってきたノウハウやシステムを活かし、外来診療にも積極的に取り組んでいる。

(『ドクタージャーナル Vol.23』より 取材・構成:絹川康夫, 写真:安田知樹, デザイン:坂本諒)
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患者さんが地域に戻ってきた時に、一人でも安心して暮らせる体制づくりが必要です。

そのためには地域も努力し、病院とかかりつけ医の間での患者さんの情報共有などのコミュニケーションでも努力しなければなりません。
例えば、少し症状が良くなったから一旦退院してみる、症状が良くないからまた入院する、というように、フレキシブルに入退院の対応ができると良いと思います。

病院が十分な治療のために長期の入院をさせている間に、生活機能が低下していってしまい、その結果、退院しても地域に帰ってくることが難しくなってしまう患者さんも多いのです。
ですから、この地域で在宅医療を行うということは、患者さんを往診して、時には病院に入院させて、それで良かったでは済まされないのです。

その患者さんたちがもう一度社会生活を再開できる、或は社会生活からドロップアウトしないような取り組みが、初期対応も含めていろいろと必要だと考えます。

在宅医療機関は地域の人たちが抱える様々な問題のソリューションを提供できます。

在宅で養ってきたノウハウやシステム、体系を、様々な患者さんに対してどれだけフィードバックしていくかが大事だと思っています。その延長線が、かかりつけ医療だと思っています。

例えば、私がドライバーと一緒に訪問診療に行っていたのを無料送迎に切り替える。

医師の手が空いている時間を有効活用し、往診で寄り添い事業をする。

在宅医療で行っている皮膚科的なアプローチや整形外科的なアプローチを、外来診療でも試みてみる。

訪問リハビリのスタッフに外来リハビリも行えるようにしてみる。

在宅医療機関は、そのような人的資源や医療資源を有効活用することで、地域の人たちが抱える様々な問題のソリューションを提供できるのではないかと考えます。

人々が地域において社会生活を営むのに必要なアイテムを、必要とする人に必要なだけ提供することが求められていて、そのアイテムの一つに、訪問診療や訪問介護、外来診療、寄り添いがあると考えます。
これからも、そのようなアプローチを続けていこうと思っています。

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英裕雄
英 裕雄 (はなぶさ ひろお) 氏

医療法人三育会理事長、新宿ヒロクリニック院長。1986年慶応義塾大学商学部を卒業後、93年に千葉大学医学部を卒業する。96年に曙橋内科クリニックを開業し、2001年に新宿区西新宿に新宿ヒロクリニックを開業する。2015年に現在の新宿区大久保に新宿ヒロクリニックを移転、開業し、現在に至る。