ドクタージャーナル編集部
連載地域のかかりつけ医が担うこれからの認知症診療

#06 地域のかかりつけ医が大きな役割を担うこれからの認知症医療

座談会出席者 木之下徹氏  医療法人社団 こだま会 こだまクリニック院長 本多智子氏  医療法人社団 こだま会 こだまクリニック 看護師 勝又浜子氏  厚生労働省老健局高齢者支援課 認知症・虐待防止対策推進室長 加畑裕美子氏 「レビ-小体型認知症介護家族おしゃべり会」代表 中野あゆみ氏 有限会社DOOD LIFE(高齢者住宅・訪問介護)代表 社会福祉士  ファシリテーター 元永拓郎氏  帝京大学大学院文学研究科臨床心理学専攻・准教授 司会 絹川康夫 一般社団法人 全国医業経営支援協会 代表理事 ※平成24年7月31日に開催。 出席者の所属、役職は当時のものです。 (『ドクタージャーナル Vol.6』より 取材・構成:絹川康夫、写真:安田知樹、デザイン:坂本諒)

誤診が多いレビー小体型認知症

加畑: 最近、家族会にもいろいろなところからレビー小体型認知症の取材依頼が増えています。でも、取材者が全く勉強していないことが多い。

短時間で簡単な取材で記事や番組にしようとする。やはり一種のブームのような気がします。当事者にとってはそれこそ深刻なテーマを、ご本人の人生や生活を何も知らないで、第三者的な傍観者の目線で捉えている記者もいます。

でもそれは違うのです。木之下先生が言われているように、私達当事者としてのテーマなのです。

勿論記者によっては、一生懸命な方もおられます。真剣に真面目に取材して頂くのであれば私たちも全面的に協力させて頂いています。認知症や在宅介護について正しく知って頂きたい思いは強くあります。

それから、かかりつけ医の先生方には、多くの論文や書籍も出ていますので、レビー小体型認知症をしっかりと勉強していただきたいと思います。

一例をあげてみれば、かかりつけ医の先生がレビー小体型認知症を知らないということで、最初にうつ病と診断されてしまうことが多いということがあります。

うつ病としての診療期間が長くなることで認知症が悪化してしまう。その間、顕著な症状が出ているにも関わらず、認知症を疑わないのです。

元永: レビー小体型認知症の人たちが重要なキーパーソンになるのでしょうね。

レビー小体型認知症の人たちを理解して適切なケアに繋げて行く上で、うつ以外にも、自律神経症状や体の諸症状の問題、薬の副作用の問題などが出てきます。

その最前線はかかりつけ医の先生たちにかかっているといえます。しかし現状は残念ながらそうなってはいません。

加畑:大学病院や錚々たる医療機関でレビー小体型認知症と診断されるけれども、その後のフォローが全くないのです。放り出されてしまう。

若年の認知症の人だと非常に前向きに関わってくれる場合もありますが、高年齢者の認知症の人だと放り出されてしまうことも多いのです。年齢は関係ないしおかしい。

本多:大きな病院の専門医と、ご本人たちの生活や家族も含めてのお付き合いのある地域のかかりつけ医の先生たちが連携をとり、認知症の人をその方々の生活の視点を持って診ていただく。それをシームレスに進めていけるような仕組みを整えてもらう必要がありますね。まだ大学病院と地域の医療との間に隔たりがあると思います。

司会: 今回のようなそれぞれの職域や立場を越えて、これからの認知症ケアのあり方を多角的に伺えたことに大変感謝しております。
ご多忙な執務の中をご出席頂きました勝又室長をはじめ、木之下先生、元永様、本多様、中野様、加畑様には大変感謝しております。誠に有難うございました。

これからの認知症ケアでは、認知症の人を人として尊重した医療とケアを地域で連携させ、「生活の場」である家庭や地域社会の中で暮らしていけるような状況をつくるための取組みの重要性が良く判りました。

地域における多くのかかりつけ医がますます重要な役割を担っておられると感じます。

1人でも多くの医療従事者の方々に、認知症ケアにさらに取り組んでいただけることを切望いたします。

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