医療法人HSR 名嘉村クリニック 院長  名嘉村博 氏
連載睡眠医療の先駆者として、1990年日本で最初の睡眠呼吸センターを開設する

#03 患者さんには『おもねず、あなどらず、おそれず』自然体で向かい合いたい。

近年、睡眠障害の深刻さの度合いはますます増してきている。 従来、睡眠障害はごく一般的な病気であったが、患者数の増加とともに高血圧や脳血管障害をはじめとする,様々な生活習慣病を合併することが知られるようになり,プライマリケアの第一線で対応する内科医、及びかかりつけ医にとっても睡眠医療に対する積極的な対応が求められる時代となってきている。 名嘉村博氏は、日本における睡眠医療を牽引し、特にSAS(睡眠時無呼吸症候群)の治療においては1990年に日本で最初の睡眠呼吸センターを沖縄県浦添市に開設した。 (『ドクタージャーナル Vol.2』より 取材・構成:絹川康夫、写真:安田知樹、デザイン:坂本諒)

名嘉村クリニックの取り組み

名嘉村クリニックでは職種や部門を越えて全員が参加するチーム医療と、全てのスタッフが医療にかかわっていくというスタンスで、スペシャリストとジェネラリスト両方の役割を果たすことを院内スタッフ全員の目標としている。

事務職スタッフはメディカルクラークと事務職を併せた総合事務職として、尚且つ医療専門職化することで、看護師が行っている事務仕事を代行することを目標としている。そのことで、看護師は患者への本来の仕事に専念でき対応できる患者数が増える。

結果的に診療全体の効率が上がり、最終的に患者へのサービス向上につながる。また今まで当たり前と思っていたルーチンを変える取り組みも数多く行っている。

「それまではカルテが手元に届いてから算定していた業務を、診療が終わった時点で電子カルテから算定することで患者さんを待たせないとか、予防接種のような確定している清算は待合時間に済ませてしまえば、患者さんは終わったらすぐ帰れる。というようなことです。

それまで当たり前となっていた非効率を改善するにはそれぞれの業務のシステム化が必要でした。またスタッフの意識改革も重要で、根気良くひとつひとつに取り組んできました。

常々おのおの部門で効率化を考えなさいと言っています。効率化は患者さんのみならず医師も含めたクリニックのスタッフのためにもなります。」と名嘉村氏は語る。

名嘉村クリニックでは、事務スタッフも患者さんに接してゆく。カルテも全員で書く。残業はしない。

「特にどこの医療施設でも当たり前のように思われているレセプト作成時の残業をしないシステム作りに取り組んでいます。

在宅診療では医師に事務スタッフが同行し入力事務や同時に行い診療の効率化を図るように努めています。他所から見ればその分スタッフに余計な負担が掛かっているように見えるが、相互に補い支えあうシステムが実は高い効率性と生産性を生んでいくと考えています。」

一方では大手病院並みのレセプトチェッカーも入れている。看護師、職員の年休も殆どを消化させる。職員の子供の急病時の託児施設の費用もクリニックで負担するなど、良好な職場環境作りにも気を配っている。

「私は患者様とは言いません。患者さんです。必要なことはお互いが言い合える信頼関係がなければ良い医療は出来ないと思っていますから、患者さんとの距離を作らないように心掛けています。

患者さんはある意味では人生の師でもあり、『おもねず、あなどらず、おそれず』で自然体でいたいというところでしょうか。」

(続く)

この記事の著者/編集者

名嘉村博 医療法人HSR 名嘉村クリニック 院長 

【専門領域】呼吸管理・人工呼吸療法・在宅酸素療法・睡眠医学。 1974年九州大学医学部卒業、1976年九州大学第一内科(循環器)、1984年浦添総合病院呼吸器科、1989年アメリカコロラド大学呼吸器科にて睡眠時無呼吸検査施設研修、1990年日本で最初の睡眠呼吸センターを沖縄県浦添総合病院に開設する。

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