杉山産婦人科 院長  杉山力一 氏
連載杉山力一氏インタビュー:不妊ドックに力を入れる不妊治療専門医 

#06 杉山力一氏「国家100年の計としての不妊対策が必要とされている」

このエントリーをはてなブックマークに追加
杉山産婦人科は、60年の歴史で培った経験と最先端医療を融合させ、生殖医療科(不妊治療/内視鏡手術)と産科婦人科(分娩)の機能を兼ね備えた国内屈指の産婦人科医院だ。 杉山力一院長は「ご妊娠/ご出産という人生最大のイベントに立ち会える幸せを改めて胸に刻み、「Every Patient here is a VIP(当院の患者様はすべてVIPです)」をモットーに皆様と夢を共感して参ります。」と語る。 生殖医療専門医、内視鏡技術認定医、培養士、産科専門医、麻酔専門医、小児科医、看護師、受付スタッフの全員が不妊治療に携わり、生殖医療科では休診なしでの診療を行っている。 (『ドクタージャーナル Vol.8』より 取材・構成:絹川康夫、写真:安田知樹、デザイン:坂本諒)

若い人には是非産婦人科医を目指して欲しい

私は、医者の原点は人間の出生に携わる産科医にあると思っています。

人はまず生命の誕生があってその後の病気、老人医療や介護と続いてゆく。その集約が産科医にあると言っても過言ではなく、若い人には是非産婦人科医を目指して欲しいと思います。

妊婦さんはいろいろな疾患を持っていることもあり産婦人科医は全身の疾患を診る能力を求められます。ですから有能な医師に産科医を目指して欲しい。

しかも今は高齢出産になっています。とうとう今年、第1子出産平均年齢が30.04歳と30歳を超えました。これは先述した見地からすると大変深刻な問題です。

もっと若かったら産めたという人達が多い

実は体外受精を受けている患者さんで、精子が少ないか卵管が詰まっているというような絶対的な適応を持って治療を受けている人は全体の10%位と非常に少ないのです。

一方60%から70%が高齢者の方で成功率も低い方たちです。もっと若かったら産めたという方たちで、病気が理由ではありません。

これは正しい知識と情報による啓発で是正できるところです。そうなっていくと、不妊治療は本当に必要な人たちだけの治療に集約されていき、結果として不妊クリニックも淘汰されていくでしょう。私はそれで良いと思います。

体外受精保険適用の年齢制限

海外では、40歳以上は体外受精を禁止していたり、35歳までしか保険が効かない国もあります。加齢による不妊は病気ではないし、35歳以上では体外受精の成功率が極めて低くなるので治療の意味を認めていないからです。

現状では、日本で体外受精に保険適用の年齢制限を掛けたりする事は不可能かもしれませんが、厚生労働省がそのようなメッセージを発信できれば出生率の低下も是正できるはずです。

幼稚園を増やして待機児童を減らすなどの対処療法以上に、根本的な課題ではないでしょうか。日本にとって100年の国家戦略として取り組むべきだと思います。

※平成28年4月1日から特定不妊治療助成金の対象範囲、助成回数が変わりました。

対象年齢が、従来の限度なしから43歳未満に。年間助成回数が従来の年間2回から限度なしに。通算助成回数が従来の通年10回から、初回40歳未満は通算6回、初回43歳未満は通算3回に。通算助成期間は従来の通算5年から限度なしへと変更されました。(厚生労働省)

このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の著者/編集者

杉山力一
杉山力一 杉山産婦人科 院長 

医療法人社団杉四会 理事長 杉山産婦人科院長 平成6年東京医科大学卒業、平成10年北九州市のセントマザー産婦人科で6ヶ月間の研修を受ける、平成12年杉山レディスクリニック開院、平成19年産婦人科総合施設として杉山産婦人科開院、平成22年杉山産婦人科丸の内開院、平成30年1月杉山産婦人科新宿新病院開院予定。

この連載について

杉山力一氏インタビュー:不妊ドックに力を入れる不妊治療専門医 

連載の詳細

アカウント登録

話題のニュース

more