【返信例文付き】クリニックの集患に繋がる口コミの活用方法
連載:人気クリニック経営者・蓮池林太郎のネット集患テクニック
2021.07.26
新宿で高い人気を誇る「信頼と実績」のクリニックを経営するカリスマ院長が、自らの実体験をもとにクリニック経営のノウハウをご紹介。クリニックを開業するにあたって重要な立地選び、ネット広告、接遇マナー、採用・教育など、今の時代に即した経営戦略をお伝えします。
皆さまのクリニックには、どれくらいの口コミが集まっていますか?
初めて行くクリニックには不安を覚える患者さまもいらっしゃいます。そのような時、来院の後押しになるのが他の患者さまからの口コミです。実際に来院し、診察を受けた患者さまの口コミには信憑性があります。良い口コミを多く頂くほど、クリニックに対する信頼が高まるのです。
今回の記事では口コミの集め方や返信内容といった活用方法についてお伝えしていくので、ぜひ自院のブランディングにお役立てください。
口コミの重要性
上のグラフから分かる通り、ネット上の口コミ情報を参考にする人の割合は55.7%と半数を超えます。ちなみに、同調査によると年齢や性別による傾向もあり、特に10~30代の女性は参考にする方が多いようです。
ネット上の口コミは誰が書いているのかがはっきりせず、なかには虚偽の口コミもありますが、それでも2人に1人は口コミ情報を参考にしているというのは無視できません。悪い口コミがある場合、クリニック経営にマイナスに働くのは言うまでもありませんが、口コミが無い場合は「人気が無い=信頼できない」と捉えられてしまうこともあるのです。
これらを踏まえると、口コミは患者さまの来院意思を左右する重要な要素であることが分かります。ですから、これからの時代はクリニックも積極的に口コミを活用していく必要があるのです。
クリニックで活用できる口コミ媒体
ご存じの通り、病院やクリニックといった医療機関は、医療法によって広告規制がかけられています。そのため、口コミを集める際は禁止事項に触れないよう十分な注意が必要です。
たとえば、口コミを自社のホームページに掲載している企業を数多く見かけますが、クリニックの場合は口コミの内容に制限があります。クリニックの内装や接遇マナーに対する感想は問題ありませんが、治療内容や効果に関する体験談を掲載することはできません。
この点に注意すれば自院のホームページに口コミを掲載するのも選択肢の一つになりますが、リスク管理という面からはホームページでの掲載は避けた方が無難です。
私の運営するクリニックも、ホームページではなくGoogleマイビジネスや病院検索サイトを活用しています。クリニックから無理に口コミをお願いするのではなく、患者さまが自主的に口コミを投稿したという体が取れるので、規制対象にならないからです。Googleマイビジネスの登録・活用方法については前回の記事で取り上げましたので、これから運用を始めるという方はぜひこちらの記事もご覧ください。
関連:集患に重要なGoogleマイビジネスとは?初心者でも分かる登録・運用方法
また、病院検索サイトは複数ありますが、無料で掲載できるサイトだけでなく、有料でしか掲載できないサイトもあります。ユーザー数や自院の詳細ページのアクセス数などをもとに、有料でしか掲載できないサイトを絞り込んでいくのも一つの手です。
良い口コミの集め方
たまに、良い口コミが欲しいからと自作自演で口コミを書き込む経営者を見かけますが、いわゆる「サクラ」行為は好ましくありません。事が露呈した時に信用を大きく損なってしまうからです。また、礼品を渡す代わりに良い口コミを投稿してもらうのもいけません。ステルスマーケティングと同様の行為なので、患者さまから不信感を抱かれる恐れがあります。
仮にその場では快く了承し、良い口コミを書いてくださったとしても、他の場で「高評価の口コミを書くよう強要された」などと言われてしまうかもしれません。その場合は当然のことながら再来院には繋がらないでしょう。
とはいえ、ただ待っているだけではなかなか口コミが集まらないのも事実……。では、どうすれば良い口コミを集められるのでしょうか。
一番簡単で確実な方法は、かかりつけの患者さまにお願いすることです。さり気なく「今後の参考にしたいので、当院のことをよくご存じの○○さんに口コミを頂きたいのですが、よろしければご協力いただけますか?」などと会話に挟み、自然な形でお願いしてみましょう。
ですが、お声がけすれば必ず口コミを書いていただけるとは限りません。直接お願いした患者さまのうち、半数でも口コミを投稿してくだされば十分多い方です。そのため、かかりつけの患者さまには積極的にお願いするのが良いと思います。
また、かかりつけ以外の患者さまにも口コミを書いていただく工夫が必要です。そのためには、口コミを書きたくなる状況をつくり出すことが重要になります。人が口コミを書く時の主な心理は2つ。「感動を誰かに伝えたい」、「鬱憤を晴らしたい」ということです。
もちろん、良い口コミを頂くためのキーワードは「感動」なので、診察や接遇で競合クリニックと大きく差別化を図ることが大切になります。患者さまの反応をこまめに伺いながら、思わず口コミを書きたくなるような、誰かにおすすめしたいと思えるようなクリニックづくりを心がけましょう。
口コミへの効果的な返信方法
口コミを頂いた場合、返信可能な媒体であれば速やかに返信することをおすすめします。口コミに返信があるかどうかで信頼度が変わりますし、返信の内容次第でクリニックの評価を高めることができるからです。患者さまの口コミだけでなく、それに対するクリニック側の対応も非常に重要なので、良い印象を持っていただくための返信のコツを例文と共にお伝えします。
【患者さまの口コミ例】
少し前から腕に発疹ができて、しばらくは市販の塗り薬を使っていたのですが、なかなか良くならずかぶれてしまったので、職場から近いこちらのクリニックにかかることにしました。穏やかでゆっくりと話す先生だったので、安心して診察を受けられました。説明も丁寧で分かりやすかったです。
【クリニックの返信例】
このたびは当院を受診いただき、ありがとうございました。
当院では患部の状態をしっかり診察し、状態を説明したうえで、お一人おひとりに合った適切な薬を処方しております。その後、症状はいかがでしょうか。どうぞお大事になさってください。
当院は医療機関でしか処方できない薬を豊富に取り扱っております。また何かございましたらお気軽にご相談ください。
【患者さまの口コミ例】
数年前からずっと家族ぐるみでお世話になっています。予約なしでも診てもらえるので、急に具合が悪くなった時などは本当にありがたいです。病院にありがちな長い待ち時間もなく、いつ行っても受付からお会計までスムーズなので助かります。先生だけでなく受付の方も丁寧で感じが良いです。これからもよろしくお願いします。
【クリニックの返信例】
いつも当院へお越しくださりありがとうございます。○○様およびご家族様のかかりつけクリニックとしてお選びいただき、大変嬉しい限りです。
当院は待ち時間を短縮できるように体制を整えておりますが、短い時間の中でも快適にお過ごしいただけるよう、これからも医師・スタッフ一同研鑽に励んでまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
返信のコツとしては、「あなたに合わせた診察・診断・処方を行ったこと」、「お褒めいただいた内容はたまたまではなく、相応の努力があること」が分かる内容であることです。これにより、口コミを投稿いただいた患者さまにより一層信頼いただけます。また、来院を検討されている見込み患者さまに対しては、クリニックへの期待値を高めることができるので、来院に繋がりやすくなるでしょう。
口コミを活用して信頼されるクリニックに
今回は口コミの重要性や活用できる媒体、集め方、返信方法と盛りだくさんな内容をご紹介しました。口コミは競合クリニックと差別化を図るうえで無視できない重要な要素です。上手に活用することで、クリニックのブランディングや集患、風評被害対策など、さまざまな効果が期待できます。今まで口コミをあまり活用できずに悩んでいた方も、この記事が今後の参考になれば幸いです。
他の連載記事でも、ネットを活用したクリニック経営方法についてご紹介しますので、ぜひお時間のある際にご覧いただければと思います。
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