長く勤務してもらえる職場作りと採用のコツ
連載:人気クリニック経営者・蓮池林太郎のネット集患テクニック
2021.11.22
新宿で高い人気を誇る「信頼と実績」のクリニックを経営するカリスマ院長が、自らの実体験をもとにクリニック経営のノウハウをご紹介。クリニックを開業するにあたって重要な立地選び、ネット広告、接遇マナー、採用・教育など、今の時代に即した経営戦略をお伝えします。
経営をするうえで欠かせない重要な要素が「管理者」としての人事です。求める人材に来てもらい、長く働いてもらうためには、採用の時にしっかり相手を見極めることが重要になります。今回の記事では、スタッフが働きやすい職場づくりや採用するにあたって知っておくべきことをお伝えしていきます。
把握しておきたい採用事情
少し前までは終身雇用が当たり前の時代でした。一度入職したら最後まで働く、会社のために身を粉にして働くというのが一般的でしたが、この頃は世間の風潮が変わってきています。いまや転職するのが当たり前の時代です。短期間で退職する人も多く、採用以前に内定辞退の数も昔とは比べ物になりません。ワークライフバランスを重視する人やキャリアアップを目指す人が増えたことが主な要因です。
このような風潮があるため、長く働いてもらうのは難しいと考えた方が良いでしょう。勤続年数を伸ばしたいのであれば、人事にきちんと力を入れることが大切です。また、給料に見合っていない仕事の離職率は高い傾向にあります。もし、思っていたよりもすぐに人が辞めるという事態が起きているのなら、待遇や仕事内容を見つめ直した方が良いかもしれません。
採用から定着するまでの流れ
上の図は私が考えた「採用の逆ピラミッド」です。多くの人はこの逆ピラミッドに沿って入職・定着するので、各項目に応じた対応を取ることが重要になります。
①認知
そもそも求人を出していることを知ってもらわなければ選択肢にすら入りません。そのため、求人中であることが誰にでもわかるよう、クリニックの玄関や院内掲示板、自院のホームページなどに「スタッフ募集」と目立つように掲示しましょう。
②仕事探し
積極的に仕事を探している人の場合、求人用のサイトや情報誌を閲覧することが多いです。そのため、求職者に見られやすいメディアに情報を掲載しましょう。簡単に応募までできるので、ネット媒体の方が求職者が集まりやすい傾向にあります。
③比較検討
1企業の情報だけを見てそこにしか応募しないという求職者はそう多くありません。たいていの場合、いくつかの求人情報を見たうえで条件に合うところへ応募を決めます。同じエリアや分野の中でより良い条件の求人があればそちらに応募が流れてしまうので、求人情報を出す前に周辺クリニックの条件を確認しておくと良いでしょう。
④応募
応募が来たら、面接の日時を決めるためのやり取りが生じます。電話であろうと、メールであろうと、取引先や患者さまへの対応と同じくらい丁寧に接しましょう。ここで印象が悪くなると、面接前のキャンセルや内定辞退に繋がりかねません。とはいえ、きちんと対応をしたとしても一定数のキャンセルは出てしまいます。
⑤面接
開業したばかりの医師は面接官になった経験があまり多くないと思います。つまり、面接をすることに不慣れなうえ、求める人材かどうかの判断力もそう養われてはいないということです。まずはこのことを自覚したうえで、入念に面接の準備をしましょう。
具体的には、面接の質問項目をあらかじめ用意しておきマニュアル化することをおすすめします。また、履歴書の中で注視すべきことも一覧にしておくと、当日慌てることなく対応できます。そのほか、1日体験勤務などのトライアルを行うことにより、求職者の能力を把握することができますし、求職者もクリニックの業務内容や雰囲気を知ることが可能です。
⑥勤務
採用決定者と雇用契約を結び、いよいよ勤務段階に入ります。ですが、お互いのことが本当に分かるのは実際に働き始めてからでしょう。雇用契約を結ぶ時点で誓約書や身元保証書も提出してもらうと、後々のトラブル防止に繋がります。
また、勤務開始時までに必ず業務マニュアルを用意しておき、やるべきこと・やってはいけないことがわかるようにしましょう。マニュアルを用意することで、スタッフ教育にかける工数削減や仕事の品質維持がしやすくなります。
⑦定着
新しく雇い入れたスタッフに定着してもらうには多大な時間と労力がかかります。ですが、安定したクリニック経営には求める人材に定着してもらうことが必要不可欠です。
定着に意外と大きな影響を与えるのは人間関係。協調性があり良好な関係性を築ける人材を揃えることで、定着率が上がりやすくなります。もちろん、医師との人間関係も重要になるので、スタッフへの接し方には十分注意を払いましょう。
長く働きたいと思ってもらうには
媒体にもよりますが、求人を出すにはお金がかかります。応募者のプロフィール確認や面接にも少なくない時間が割かれ、その間は診療ができません。採用後も、仕事ぶりが一定の水準に達するまでそれなりに時間がかかるでしょう。人を一人雇うためには、思っている以上に大きなコストがかかっています。
だからこそ、長く働いてもらうことが非常に重要なのです。自院の診療時間や立地、患者数などを分析したうえで、長く働きたいと思われる職場づくりを心がけましょう。
最初に開業する時は小規模なクリニックから始めることが大半です。小規模ということはスタッフ全員に目が行き届きやすく、スタッフとの距離感も近いので風通しが良いというメリットがあります。スタッフの様子をよく見たり、定期的に声かけをしたりするなどして、働きやすい職場環境を一緒に作っていくのも一つの手でしょう。
スタッフの採用は経営のかなめ
どんなに小さなクリニックでも、最低限事務スタッフは雇うと思います。スタッフがスムーズに仕事をこなしてくれる人材であれば、医師の負担は減り診療に集中することが可能です。また、医師以外のスタッフもクリニック全体の評価対象となっているため、スタッフの態度や振る舞いによって再診に繋がるかどうかも左右されます。
陰に日向にクリニックを支えるスタッフは、文字通りクリニック経営の基盤となる重要な存在です。この記事が、皆さまのクリニックに合った人材を見つける手助けになれば嬉しく思います。 次回の記事では、別の角度から採用に関するコツをお伝えするので、ぜひそちらも併せてお読みいただけると幸いです。
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