保険診療と並行して自由診療に挑戦した医師に聞く、メリットと知るべき課題

診療報酬改定以降、経営難に陥っている保険診療のクリニックが増えています。忙しさは変わっていないのに、収益が伸び悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、保険診療に加え「自由診療(美容医療)」も導入し、経営が安定した医師に当時の状況や、苦労などを赤裸々にお話いただきました。
製薬企業アッヴィの美容医療部門として世界90カ国以上での美容医療製品の提供に加え、医療従事者に向けた教育プログラムを提供し、美容医療の質向上に貢献するアラガン・エステティックスの協力のもとご紹介いたします。

そして、保険診療を並行しながら、どのように自由診療と向き合ったのか、感じた課題についても伺います。

今後、自由診療の導入を検討している方は、ぜひヒントにしてください。

<目次>

  • 自由診療がなぜ経営改善の鍵になる?
  • 自由診療に挑戦した医師の声
  • 自由診療はチャンスがある一方、さまざまな課題も
  • 低リスクで自由診療を始めるなら、注入治療に注目 

自由診療がなぜ経営改善の鍵になる?

保険診療のクリニック経営は非常に厳しくなっている

2024年度の診療報酬改定以降、クリニックの収支は増収・減益傾向にあります。日本病院会などの6団体が2025年に実施した調査によると、医業赤字病院は改訂前より増加し、経常赤字病院も増えていることが明らかになりました。(※1)

一般社団法人日本病院会「2024年度診療報酬改定後の病院経営状況」を参考に作成(※1)

さらに、物価の高騰や賃金の上昇も経営難に拍車をかけています。

※1 一般社団法人日本病院会「2024年度診療報酬改定後の病院経営状況」

美容医療の市場は拡大傾向

全国で6割以上のクリニックが深刻な経営状況に陥っている一方、美容医療市場は活況を呈しています。例えば日本美容外科学会(JSAPS)が公表した調査結果では、2017年から2023年に行われた施術件数は大幅に増えています。(※2)(※3)増加の背景には、施術範囲が広がり、人々の心理的ハードルが低下したことなどが挙げられます。(※4)2024年の市場規模は3000億円を超え、今後もさらなる市場拡大が見込まれることが様々な調査から明らかになっています。(※3)

※2 日本美容外科学会「第1回全国美容医療実態調査最終報告書(公表用)」(参照 2025-05-22)
※3 日本美容外科学会「第7回全国美容医療実態調査 最終報告書(公開版)」(参照 2025-05-22)
※4 厚生労働省「美容医療に関する現状について」(参照 2025-05-22)

⾃由診療に挑戦した医師の声

⼤城⽪フ科クリニック 理事長
⼤城 宏治先⽣

名古屋⼤学医学部卒業後、社会保険中京病院や名古屋⼤学附属病院で⽪膚科医として研鑽を積む。 その後、虎の⾨病院への国内留学を経て、江南厚⽣病院で⽪膚科医⻑を務める。 2016年に⼤城⽪フ科クリニックを開院し、2023年 に⼤城⽪フ科クリニック⼤⼝本院を開院。⼤城⽪フ科クリニックでは、 ⼀般⽪膚科‧アレルギー科などの保険診療、 美容⽪膚科として⾃由診療も⾏っている。

大城皮フ科クリニックの開業後の苦労と成功

開業後の生活
診察に加え、レセプトチェックや人事・労務の対応など慣れない業務で帰宅は連日午前様の毎日でしたが、開業直後から保険診療の集患は順調でした。初日から100人を超える患者様に受診していただき、初年度の手術件数は600件以上に及びました。

開業後の苦労
開業当初から美容も取り組もうと考え、ヒアルロン酸・ボツリヌストキシンの注入治療をメニュー化し、少しずつ始めていましたが、当時は保険診療で忙しかったこともあり、真正面から注入治療に取り組めていませんでした。
そんな状態では自分に自信を持つことができませんし、もちろん患者が集まるはずもなく、始めは伸び悩んでいました。

自由診療(美容医療)への参入
アラガンさんのサポートのおかげで徐々に患者の数も増え、開院1年後には部屋や駐車場が不足するほど受診していただけるように。そして開業から7年目の2023年には、5人のドクターで同時に診察できる診察室と、手術と注入治療を行える処置室、美容施術に使う11の施術室など、様々な美容医療機器を備えた新クリニックを開院するまでに規模を拡大できました。

自由診療はチャンスがある一方、さまざまな課題も

大城皮フ科クリニックが感じる課題

参入障壁/将来的な価格競争
保険診療を提供するクリニックの経営状況の悪化に伴い、今後は皮膚科や形成外科だけではなく、内科でも美容医療の参入が増えることが予想されます。特にナースでも施術可能なシミ治療や脱毛の場合、対応するクリニックが増えることから価格競争に発展する可能性があります。

高騰する医療機器(例・脱毛)
例えば脱毛の場合、脱毛機器の本体に1000万円以上、メンテナンスに年間50万円以上かかる上に、施術には看護師と部屋も必要です。さらに、現在は脱毛で患者様を集めることが難しく、価格を下げても思うように集患できないという課題もあり、採算が取れるまでには時間がかかります。

ドクター・スタッフの負担増
注入治療にも課題はあります。業務が増えることで医師やスタッフがさらに忙しくなる、最新の医療技術や知識を身につけるための自己研鑽に時間が取られるなど、現場への負担が懸念されます。

仕上がりに対する患者からの不満
美容医療の場合、患者様の施術への期待値の高まりから、仕上がりに対するご不満を抱かれることもあります。施術後のトラブルや悪い口コミ、場合によっては訴訟に発展する可能性もゼロではありません。

低リスクで自由診療を始めるなら、注入治療に注目

大城皮フ科クリニックの経営を支える「注入治療」の魅力

1.美容施術として必須のため
たるみ治療を例に挙げると、手術やHIFU、高周波、スレッドリフトなどの方法がありますが、これらの施術は組織の減少や皮下脂肪のボリュームロスには対応していません。また、脂肪注入は高額かつ0.1ml単位での細かい調整が難しいといった懸念点があります。これらのことから、本格的な美容医療をするには、ヒアルロン酸やボツリヌストキシンの注入治療が欠かせません。

2.クリニックのイメージ形成につながる
ヒアルロン酸・ボツリヌストキシンなどの注入治療は、医師のみ施術可能です。注入治療を行うことで、「本格的な美容治療を受けられるクリニック」というイメージを作ることができ、他の美容クリニックとの差別化を図ることができます。

3.低コストで始められる
注入治療は、高額な医療機器を用意しなくても、ヒアルロン酸製材やボツリヌストキシン製剤などを購入するだけで導入できます。脱毛などの施術と比べて初期費用がかからないメリットがあります。

4.患者満足度の向上
注入治療は大きく3つのメリットが挙げられ、患者満足度の向上に役立ちます。(※5)(※6)

  • 1回の施術で効果を実感しやすい
  • 手術に比べ、身体への負担が少ない
  • 施術そのものにかかる時間が短い

※5 川田 暁:美容皮膚科ガイドブック第3版. 中学医学社. 2023
※6 青木 律:Bella Pelle.2017.2(2):34-37

アラガン・エステティックスによる情報提供体制

開業当初は保険診療で忙しく、美容医療に真正面から取り組めてはいませんでしたが、
注入治療に関する各種情報や自主学習コンテンツを通して、時間や場所を問わず知識を深めることができました。

アラガン・アドバンテージ|HCP限定・会員向け無料コンテンツ

美容医療を始めたい・拡大したい医療従事者の方向けに経営のヒントになるクリニック事例記事や価格設定・集患・接遇などの実践ノウハウを配信中。

▼無料でご覧いただける主なコンテンツ
・エビデンスに基づいた製品情報
・院内/院外で使えるマーケティング資材
・自由診療の導入や経営に役立つ事例・ノウハウ

【無料】会員登録はこちら

参考文献
※1 一般社団法人日本病院会「2024年度診療報酬改定後の病院経営状況」
※2 日本美容外科学会「第1回全国美容医療実態調査最終報告書(公表用)」(参照 2025-05-22)
※3 日本美容外科学会「第7回全国美容医療実態調査 最終報告書(公開版)」(参照 2025-05-22)
※4 厚生労働省「美容医療に関する現状について」(参照 2025-05-22)
※5 川田 暁:美容皮膚科ガイドブック第3版. 中学医学社. 2023
※6 青木 律:Bella Pelle.2017.2(2):34-37


本件に関するお問い合わせ先

大城宏治 ⼤城⽪フ科クリニック 理事長

名古屋⼤学医学部卒業後、社会保険中京病院や名古屋⼤学附属病院で⽪膚科医として研鑽を積む。 その後、虎の⾨病院への国内留学を経て、江南厚 ⽣病院で⽪膚科医⻑を務める。 2016年に⼤城⽪フ科クリニックを開院し、2023年 に⼤城⽪フ科クリニック⼤⼝本院を開院。⼤城⽪ フ科クリニックでは、 ⼀般⽪膚科‧アレルギー科 などの保険診療、 美容⽪膚科として⾃由診療も ⾏っている。

マイニュース