河野勝驥
連載開業以来38年、早朝6時半からの診療方針を守り続けるホームドクター

#01 1人でも多くの患者さんを検査するために、朝6時半から検査を行うことにしました。

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閑静な住宅街が広がる東急田園都市線。鷺沼駅徒歩3分の絶好地に河野医院は位置する。まだ人通りも少ない早朝6時半、早朝診療の開始。 1979年の開院以来、38年間にわたって守り続けてきた。出勤前のサラリーマン、朝が早い自営業者や職人さん、登校前の小学生など……。 早朝診療のおかげで、自分のライフスタイルや生活リズムに合わせた診療を受けられる患者さんは実に多い。 河野勝驥院長は、ホームドクターとして、消化器、呼吸器、循環器の内科、アレルギー科、皮膚科に加え、心療内科までカバーする。また田園都市線沿線では数少ない漢方医でもある。 (『ドクタージャーナル Vol.2』より 取材・構成:絹川康夫、写真:安田知樹、デザイン:坂本諒)

多様な生活ニーズに合致した早朝診療

「子どもの具合が悪いのですが、今日は学校へ行かせていいでしょうか。」
「今日は自分が仕事を休んで、具合の悪い子どもの世話をしたほうがいいでしょうか。」

早朝から子どもを診察に連れて来た母親が、河野院長に尋ねている。いかにも早朝らしい相談で、また早朝に受診できるからこその相談である。

職人や、サラリーマン、共稼ぎ夫婦から、子供やその親などにとって、早朝に受診できるメリットは計りしれない。

通常クリニックは、午前9時前後から診察が開始されることが多い。

早朝から開いているクリニックが存在することを知らない患者さんは多い。

河野医院のホームページで、早朝6時半から診療しているのを発見して来院する。

「毎日、田園都市線で渋谷まで通っていますが、通勤途中に受診できるのですから、ウソみたいですよ。同僚からは信じてもらえません(笑)。」と、あるサラリーマンは語る。

必要に迫られて始めた早朝診療

患者さんから全面的に支持されている早朝診療ではあるが、始めた動機は実は意外なところにあった。

河野院長が研修医の頃、午前中に済ますべき胃のレントゲンや内視鏡の検査を、時間内に全て済ませることができないことが多くあった。しかも、看護師やレントゲン技師は昼休みになってしまい、医師だけが居残りで検査をしなければならない状況に悩んだ。

「患者さんは待っているから、検査は続けなければならない。しかし、胃のレントゲン検査を行うのは空腹時の午前中がベストなのです。

1人でも多くの患者さんを検査するのであれば、早朝からやるしかない。そこで6時半から自分だけで検査を行うことにしました。

これが患者さんにも喜ばれ、非常にうまくいきました。そうすると、出勤前のサラリーマンがとか、いろいろな患者さんが来院するようになったのです。」と河野院長は語る。

開業に際しても早朝診療を標榜する

だから、診療所を開院するときにも、診療方針として早朝診療を打ち出した。当時では早朝診療の草分け的存在である。

多くの人たちの生活ニーズに合致するはずの早朝診療だが、なかなか他に広がらないのは何故か。

いうまでもなくマンパワー的にもコスト面でも多くの課題があるからである。コストだけを考えると時間外勤務のスタッフの人件費など、むしろマイナスである。

そのような中で、開院以来今でも早朝診療の方針を守り続ける苦労は並大抵のことではないが、患者さんの利便性と、地域の多くの人々から喜ばれていることを考えるとやめる訳には行かなかった。

今では河野医院の名は、早朝から診療を行うクリニックとして、地域住民に限らず、田園都市線沿線の通勤客にまでしっかりと根付いている。

(続く)

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この記事の著者/編集者

河野勝驥
河野勝驥   

河野医院院長 昭和18年 山口県生まれ。昭和44年東京慈恵会医科大学卒業、東京慈恵会医科大学病院消化器科外科入局、昭和51年国立東京第二病院循環器内科勤務、昭和52年医学博士、昭和54年1月 河野医院を開業。開業のかたわら63年より、慈恵会医科大学第三病院消化器内科、総合診療部にて卒後研修生として在籍、現在に至る。 平成2年東洋医学会専門医及び内科認定医取得。日本消化器学会、日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会等に所属。

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