河野勝驥
連載開業以来38年、早朝6時半からの診療方針を守り続けるホームドクター

#02 ホームドクターとして、常に切磋琢磨し知識や技術をひとつひとつ積み上げていく。

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閑静な住宅街が広がる東急田園都市線。鷺沼駅徒歩3分の絶好地に河野医院は位置する。まだ人通りも少ない早朝6時半、早朝診療の開始。 1979年の開院以来、38年間にわたって守り続けてきた。出勤前のサラリーマン、朝が早い自営業者や職人さん、登校前の小学生など……。 早朝診療のおかげで、自分のライフスタイルや生活リズムに合わせた診療を受けられる患者さんは実に多い。 河野勝驥院長は、ホームドクターとして、消化器、呼吸器、循環器の内科、アレルギー科、皮膚科に加え、心療内科までカバーする。また田園都市線沿線では数少ない漢方医でもある。 (『ドクタージャーナル Vol.2』より 取材・構成:絹川康夫、写真:安田知樹、デザイン:坂本諒)

オールマイティのホームドクターをめざす

河野院長は、もともとは消化器外科が専門であったが、鷺沼で開院するに当たって外科ではなく、地域のホームドクターをめざす決心をする。そのため内科医として再研修を受けた。開業後30年以上たった今でも大学病院での研鑽は怠らない。

「内科とは、呼吸器、消化器、内分泌、心療などの総合的内科を意味します。全てを診なければならない。細分化された○○内科というのは、本来はないと思っています。

分けてしまったらホームドクターでなくなる。ホームドクターは、患者さんの家の事情、悩み、人間関係などにまで全てに目を配らないといけない。

内科、外科から時には心の中まで、ありとあらゆる疾患を診ます。オールマイティでなければならない。ですから広く浅く、が基本で、自分の手に負えないようであれば、専門医に紹介します。」

診療圏がそれほど広くない田園都市線鷺沼駅周辺地域の医院としての地理的条件から、ある程度限られた人数の患者さんが診療対象となるのは仕方のないことと思われる。

そのかわりホームドクターの本来の在るべき姿として、その地域住民に対しては、子どもからお年寄りまで万遍なく診る。

しかし現在、患者さんの分布は地元圏が40%、周辺地域が30%、遠隔地域がなんと30%の割合となっている。これも早朝診療ゆえの集患効果だ。

ホームドクターは日々の研鑽が欠かせない

河野院長が考える、ホームドクターとしての条件は厳しい。

近隣の大学病院や総合病院と絶えずコンタクトをとって勉強することが大切であり、自分の専門以外についても、知識を絶えず吸収する必要があると考える。

たとえ専門分野であっても、その知識は5年経てば色褪せてくる。だからこそ大学病院や総合病院に通って、自分で研修しなければならないと河野院長は訴える。

常に切磋琢磨して、自分の知識や技術をひとつひとつ積み上げていく大切さを説く。ホームドクターに王道はないという。

病院で絶えず学ぶのは、忙しい開業医にとっては難しい面もある。しかし、河野院長によると、例えば南米のドクターなどではそれは普通に行われているという。

午前中は自院で診療し、午後は地域の総合病院で仕事をする。病診連携である。そのことで知識もレベルアップしていくし、高価な医療器械を自院で揃えることも不要となる。

「40代、50代になると、本だけ読んでもなかなか頭に入っていかない。若い先生から直接学ぶのが最も効率的です。

教えてくださいと頭を低くする。教えてもらうときは、相手が若くても先生と呼びます。お願いしますと言えば、どんな病院も受け入れてくれますよ。断られる病院はないと思います。現に私はそうしてきました。」

漢方でアトピー性皮膚炎を改善する

アレルギー科、皮膚科の病気も診療する。河野医院では、もともとはアレルギー科の喘息や花粉症がメインであったが、最近ではアレルギー疾患のアトピー性皮膚炎の患者さんが増えてきた。

子どもがアトピー性皮膚炎になると親は治そうと必死になる。河野医院にたどり着くまでに他の医療機関を3、4ヵ所も回ってきた患者さんも多い。

当初は副腎皮質ホルモンを使っていたが、副作用が出る。いろいろ研究するうちに漢方薬治療に行き着いた。副腎皮質ホルモンを使わないでもアトピー性皮膚炎が改善されるということが、次第に口コミで広がっていった。

こうして皮膚科としての河野医院の名が知れ渡っていった。同時に、地域では数少ない漢方医としても有名となる。

「失敗したりして、初めて勉強するようになります。患者さんが教えてくれるのです。良くなったと聞くと、医者自身も嬉しい。

漢方は奥が深く、レパートリーも広い。漢方では病名によって薬を選ぶのではなく、早く良くなることを主眼として薬を選ぶのです。

長く服用しないと漢方は効かないなどと言われたりしますが、そんなことはありません。ピシーッと効くときは効きますよ。」と河野院長は語る。

(続く)

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この記事の著者/編集者

河野勝驥
河野勝驥   

河野医院院長 昭和18年 山口県生まれ。昭和44年東京慈恵会医科大学卒業、東京慈恵会医科大学病院消化器科外科入局、昭和51年国立東京第二病院循環器内科勤務、昭和52年医学博士、昭和54年1月 河野医院を開業。開業のかたわら63年より、慈恵会医科大学第三病院消化器内科、総合診療部にて卒後研修生として在籍、現在に至る。 平成2年東洋医学会専門医及び内科認定医取得。日本消化器学会、日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会等に所属。

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