初診で心をつかむ増患対策!患者さまに信頼されるクリニックづくり

<本連載について>
新宿で高い人気を誇る「信頼と実績」のクリニックを経営するカリスマ院長が、自らの実体験をもとにクリニック経営のノウハウをご紹介。クリニックを開業するにあたって重要な立地選び、ネット広告、接遇マナー、採用・教育など、今の時代に即した経営戦略をお伝えします。

「うわ、なんか感じ悪い」

始めて会った人の第一印象が悪いと、できるだけ関わりたくないと思いますよね。

クリニックでも同じです。患者さまに与える第一印象によって、その後の再診につながるかどうかが決まります。今回は初診で好印象を持っていただくためのポイントをご紹介するので、ぜひ自院の集患にお役立てください。

初診と再診の違い

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当たり前のことですが、初診の患者さまと再診の患者さまへの対応は異なります。初診患者さまはどのようなクリニックなのかが分からない状態で来院されるので、一つひとつの工程を丁寧に接しなければいけません。

一方で、再診の患者さまの場合は診察や処方についてもある程度理解があるため、工程を簡素化したほうがむしろ好まれるかもしれません。また、再診患者さまの場合は信頼関係が築けているため、態度や言葉にニーズが表れやすいです。医師との他愛ない話を楽しみにされている方や常用薬を受け取るだけの忙しい方など、患者さまごとにタイプがはっきりしているので、それぞれに合った対応がしやすいでしょう。

このように患者さま側の心持ちが明らかに違うので、すべての患者さまに同じ対応をするのは得策ではありません。初診の患者さまに対しては、逐一様子を伺いながら時間をかけて接遇しましょう。

初診の流れ

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  1. 予約
  2. 来院・受付
  3. 問診票への記入
  4. 問診票の提出
  5. 診察待ち
  6. 診察
  7. 処置
  8. 会計待ち
  9. 会計
  10. 薬の処方

以上が一通りの初診の流れです。一連の中で医師と患者さまが接する機会は何回あるでしょうか?

医師と患者さまの接点は、診察の工程にしかありません。場合によっては看護師ではなく医師が処置をすることもあるかと思いますが、それでもたったの2回です。では、最も患者さまと接する機会が多いのは誰かというと事務員になります。つまり、事務員の接遇がクリニックの評価に大きく影響を与えるということです。

私は「医師×事務員×看護師(×薬剤師)」のかけ算によって、クリニックの評価が決まると考えています。医師が一人で奮闘しても、初診で信頼されるクリニックになるためには足りません。適切なマニュアルを作成してスタッフ教育にも力を入れるほか、場合によっては調剤薬局の方とも良好な関係を保ち、自分以外の要素もしっかり固める必要があります。

クリニックで不快感を与える要素をプラスに

初診の流れにおいて、もう一つ着目すべきポイントがあります。それは待ち時間です。

身体の調子が悪い時に長々と待たされるのは苦痛です。予防接種など、身体には不調がない場合だとしても不快感を与えかねません。

そこで私の経営するクリニックでは、できるだけ待ち時間を短縮させるための体制を整えています。また、わずかな待ち時間でも有意義に過ごしていただけるように工夫しています。その一例がパンフレットの配布です。

当院の診療内容や医師の情報などを記載したパンフレットを作り、受付時にお渡しするようにしています。何もせずにただ待っているだけの時間を苦痛に感じる方は少なくありません。待つ間は不安や苛立ちも募りやすくなりますが、何かやることがあればそちらに集中できるので待つことが苦痛になりにくいのです。そのうえ、診察前にクリニックのことがある程度把握できるので、安心感につながります。

また、当院のパンフレットは3つ折りでコンパクトなサイズなので邪魔にならず、ちょっとした時間でも開いていただきやすいです。捨てられにくいように高級な紙を使うなど、細かいところまでこだわっています。

このように、本来ならマイナスに働く待ち時間ですが、工夫を凝らすことでむしろプラスに働かせることも可能です。患者さまの立場に立ってクリニック経営を考えることで、患者さまに良い第一印象を持っていただくことができます。

初診患者さまと接するうえで大切なこと

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先ほども述べた通り、初診患者さまはクリニックの実態をよく分かっていません。そのため、来院前にできるだけ患者さまにクリニックのことを知っていただく必要があります。来院した時にイメージと違うと、それだけで印象が悪くなってしまうからです。

取り得る対策としては、ホームページに共感してもらえる内容を載せたり、Googleマイビジネスに院内の写真を豊富に載せたりといったことが考えられます。患者さまとクリニックの視点を同一にすることが大切です。

もちろん、患者さまの事前期待に応えられるように努力することも重要になります。まだ見ぬ初診患者さまのニーズを積極的に汲み取り、クリニック経営に反映させていくことで強固な信頼関係を築けるのです。結果として良い口コミをたくさん頂けたり、診断内容や治療に関する理解・同意を得やすくなったりと、多数のメリットがもたらされます。

まとめ

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来院前の予約電話、来院後の受付対応、待ち時間、調剤薬局での対応など、初診の工程はどれも重要です。自分自身の接遇を振り返ることはもちろん、自身以外の要素にも気を配り、クリニック全体の質を上げていきましょう。

患者さまが医師やスタッフと接する時間はそう長くありません。そのわずかな時間の中でも「ここに来て良かった」と思っていただくために、小さな手間を惜しまず居心地の良いクリニックを作ってください。

この記事の著者/編集者

蓮池林太郎 医療法人社団SEC 新宿駅前クリニック院長 

1981年、東京都生まれ。5児の父。医師。作家。帝京大学医学部卒業。2009年、新宿駅前クリニック開業。2011年、医療法人社団SEC設立。クリニックの開業支援や経営コンサルティング、記事執筆、講演などをおこなう。著書に「競合と差がつくクリニックの経営戦略―Googleを活用した集患メソッド」(日本医療企画)、「患者に選ばれるクリニックークリニック経営ガイドライン」(合同フォレスト)など。

  医療法人社団SEC理事長
  新宿駅前クリニック 皮膚科 内科 泌尿器科 院長
  蓮池林太郎(はすいけりんたろう) 
  蓮池林太郎ホームページ:https://www.hasuikerintaro.com
  ――――――――――――――― 
  〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-12-11山銀ビル5F
  TEL:03-6304-5253   
  FAX:03-6304-5257   
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新宿駅前クリニックホームページ:https://www.shinjyuku-ekimae-clinic.info
  
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遺伝子専門医でもある熊川先生は、難聴のリスク遺伝子を特定する研究にも携わられてきました。信州大学との共同研究を経て、現在では高い精度で予後を推定できるようになっています。 将来を見据えたライフスタイルの設計のために。本連載最終記事となる今回は熊川先生の経緯や過去の症例を伺いながら、難聴の遺伝子検査について取り上げます。