病院がプラネタリウム 難病や長期入院中の子供達、被災地の子供達に「星空」を届ける

#02 漠然と描いた想いが、2001年に形となる。

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在宅ホスピス医の内藤いづみ先生と出逢う

2010年には山梨県立科学館プラネタリウムがリニューアルし、それを機に2001年に制作した「オーロラストーリー」を完全リメイクします。 同時に機器をデジタル化したおかげで、オーロラの映像も以前より格段にリアリティのあるものになりました。

そんな時に、在宅ホスピス医として有名な内藤いづみ先生と出会います。

『ホスピスでプラネタリウムをやってみたい、ということをお伝えしたのをきっかけに急速に交流が始まった。 彼女の患者さんに、「死ぬ前に一度でいいからオーロラをみたい」という末期がんの方がいると聞いた。科学館の近くにお住まいということで、ドームでオーロラを見ようということになった。』(高橋氏)

『オーロラ映像と音楽のみの10分程度の時間であった。実はご本人は、すでに意識もうつろだったので、オーロラを見て何かを感じられたかは、わからない。でもご家族もスタッフも大変喜んでいかれた。

後日、一緒にいらしていた看護師で、小さい娘さんを亡くされた経験をお持ちの方が、「娘に逢えた」と漏らしていた、ということを聞いた。

「オーロラストーリー」本編ではなく、オーロラ映像をお見せしただけなのに、番組のメッセージである「地球と宇宙をつなぎ、生と死をつないでいる」ということを、彼女自身の経験から感じていたのである。鳥肌の立つ思いだった。』(高橋氏)

この体験が、内藤医師との新しい企画を早めることとなります。

それが「宙を見ていのちを想う~オーロラとともに」というイベントでした。

内藤医師のホスピス講演、プラネタリウム番組「オーロラストーリー~星野道夫・宙との対話」鑑賞、そして、内藤医師と高橋真理子氏の対談「いのちはみんなつながっている」という三部構成で行われました。

『2001年の「オーロラストーリー」をきっかけにいつか宇宙と福祉や医療がつながれば、と漠然と思っていたのが、2010年の「オーロラストーリー」とともにそれが結実したことに感慨深いものがあった。』(高橋氏)

その後、このイベントは、内藤医師と長年におよび親交のあるタレントの永六輔氏とのコラボレーションにも発展しました。

天文好きの小児科医との出逢い

2007年、山梨で開催された「ユニバーサルデザイン天文教育」の研究会で、山梨大学附属病院の小児科医である犬飼岳史医師に出逢います。

『小さいころは天文学者になりたかったという彼は、今も天文少年のように、美しい天体写真が撮れるとすごく嬉しそうに見せてくれる、とてもピュアな人。

しかも、小児がんなど長期の治療を強いられる子どもたちを相手にしているお医者さんである。

病室でプラネタリウムをやったらどうだろう、というこちらの提案が、承諾されないわけがなかった。まだ、十分な機材を持ち合わせていなかったのにもかかわらず、病院内でのプラネタリウム計画をたて、それは結構あっという間に実施された。』(高橋氏)

家庭用のプラネタリウム「ホームスター」と傘式のドームで、部屋を一生懸命暗くして行いました。

これこそが、「病院がプラネタリウム」の誕生でした。

『後日、「ふだんあまり笑わない子が翌朝、嬉しそうに星を見た、と言ってとても嬉しかった」という先生からの報告を聞いた。きっとこれは求められるものになっていくだろうという実感。これも、2001年に漠然と描いた想いが一つ形になった日であった。』(高橋氏)

(続く)

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