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【世界最多の人工感覚臓器】名医に聞く今知るべき人工内耳

― 2023年10月21日より順次公開 ―

1000人に1人が難聴を抱えて生まれてくるということは、その多さの割に知られていません。難聴者はろう者の学校に通い、幼い頃から健常者と交わることが少ないこともその一因と考えられます。30年前まで重度の難聴に対する外科的な対処法が存在しなかった日本では、ろう者のコミュニケーションは手話や口話に限定され、社会に参加しにくい時代が長くありました。

しかし人工内耳が日本に導入されたことで状況は変わりました。重度の難聴者が音のない世界から、文章を聞き取れる時代へと変わったのです。その後デバイスの発達やノウハウの蓄積を経て、現在では文章の80~90%を聞き取れるまでに進歩しました。電話による会話も可能になった難聴者もたくさんいます。

今回お話を伺った熊川孝三先生は、日本で初めてとなる人工内耳の手術現場に立って以来、日本における人工内耳の研究と臨床を牽引されてきた名医です。世界で初めて人工内耳を開発したオーストラリアのクラーク教授のもとで学び、現在に至るまで非常に多くの症例を担当されてきました。本連載ではわが国の人工内耳の歴史を俯瞰できる熊川先生に、人工内耳の現状と展望を伺いました。

― 基本情報 ―

熊川孝三先生は、1985年に行われた日本で初めてとなる多チャンネル人工内耳の手術現場に立って以来、日本における人工内耳を始めとする人工聴覚臓器の研究と臨床を牽引されてきた名医です。本連載では今知るべき人工内耳の詳細と最新タイプ、効果と問題点をお伝えします。最終記事では、遺伝子検査の重要性という視点で最新の治療戦略を伺いました。

赤坂虎の門クリニック
所在地:東京都港区赤坂一丁目8番1号赤坂インターシティAIR 地下1階
TEL:03-3583-8080

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遺伝子専門医でもある熊川先生は、難聴のリスク遺伝子を特定する研究にも携わられてきました。信州大学との共同研究を経て、現在では高い精度で予後を推定できるようになっています。 将来を見据えたライフスタイルの設計のために。本連載最終記事となる今回は熊川先生の経緯や過去の症例を伺いながら、難聴の遺伝子検査について取り上げます。