伊藤病院 院長  伊藤公一 氏
連載昭和12年の創業以来、一貫して甲状腺疾患の診療一筋に取り組んできた伊藤病院

#02 患者様のために、労力と費用を惜しまずスピードも重視した診療体制を整えています。

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伊藤病院は年間外来患者数30万6000人、年間初診患者数2万2000人(※2011年度実績)。全国から患者が訪れる甲状腺疾患専門の民間病院だ。東京、表参道の一等地に位置し60床の小規模病院ではあるが、7床のアイソトープ専用病床を有し、重症のバセドウ病や甲状腺がんの治療も含め、甲状腺を患う全ての患者に対して完璧な自己完結型医療を提供している。 創業以来、甲状腺疾患の専門病院としてのプライドを貫きながらも、常に新しい事にチャレンジを続けるのが3代目院長の伊藤公一氏だ。 ※2016年度実績/年間外来患者数36万8000人、年間初診患者数2万6000人  (『ドクタージャーナル Vol.5』より 取材・構成:絹川康夫、写真:安田知樹、デザイン:坂本諒)

常に最新技術の導入と努力を惜しまない。

採血による甲状腺ホルモンの測定では、四半世紀前は一週間掛かっていましたが、現在、当病院では、20分で正確に検査結果が出せるようになりました。

よって以前のように検査結果を聞くための再来院は無くなり、血液検査を行った当日に診療方針が立てられ患者様を非常に効率よく外来診療で治療できるようになりました。

さらに、当院ではIT化を駆使して独自の電子カルテを作り、効率のよい診療を心掛けて取り組んでいます。同時にインフォームドコンセントにも役立てています。

超音波検査についても、あえて予約制を取らずに、来院されたらどなたでも当日に検査ができる体制になっております。

当病院にいらっしゃる患者様は、甲状腺疾患の治療という明確な目的で来院されますから、全ては患者様のためにスピードも重視した診療体制を整えているつもりです。

このように臨床検査には非常に力点を置いており、60床の病院規模に対して30名以上の臨床検査技師が働いております。

診療情報管理に重きをおいています。

当病院では、診療録を大切にしています。現在7名の診療情報管理士が在籍し、独自の電子カルテシステムを駆使して電子化と統計整理に取り組み、完全な可視化、ペーパーレス化を実現しています。

私は早くから診療情報管理士の資格や仕事に注目しておりまして、栃木の国際医療福祉大学からは継続的に大学生の実習先として受け入れを行っています。

実は当病院では、祖父の代からカルテは一冊も捨てないと言う信念で今も永久保存をしています。空襲で病院と同時に焼失してしまった一期間分を除いて、昭和12年の開業から現在に至るまでの全てのカルテを保存しています。

これは戦時中の逸話ですが、戦火の中で、患者様の救済活動を行うと同時に、大切な診療録を守るために、リヤカーに乗せて逃げたと言うことも語り継がれています。

昔も今も診療録の管理に対してはそれほど強い信念を持っています。これが当院の歴史と伝統です。

それらのカルテは従来からの倉庫会社での管理に加えて、8年前からは先述の電子カルテでのデータ化を地道に進めています。そこから正確な診断と治療もできることに加え、学術的な研究に繋がっています。

これには相当な労力と費用が掛かっていますが、それがあってこそ私共の診療や研究ができるのだと思っています。

(続く)

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この記事の著者/編集者

伊藤公一
伊藤公一 伊藤病院 院長 

外科医 甲状腺疾患専門。 1985年北里大学医学部卒業、東京女子医科大学内分泌外科学教室入局。1990年東京大学医科学研究所 細胞遺伝部、1992年米国シカゴ大学 内分泌外科、1998年伊藤病院院長就任。日本内分泌外科学会理事、日本甲状腺外科学会監事、厚生労働省診断群分類調査研究班班長、日本病院管理学会評議員、全国病院経営管理学会常任理事、国際観光医療学会理事、日本国際医学協会理事、等歴任。

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