#03 一つの医療法人で、医療から福祉までの全てのサービスを一括して提供する。
連載:地域医療連携と機能分化で地域内完結型の医療・福祉の実現を目指す社会医療法人
2020.12.18
複数の都道府県にまたがる社会医療法人として、全国初の厚生労働大臣認定を受ける。
- 社会医療法人ジャパンメディカルアライアンスの取り組みについてお聞かせください。-
鄭氏:ジャパンメディカルアライアンスの前身である医療法人仁愛会『東埼玉総合病院』は、「救急こそが医療の原点である」という信念と志を共にした日本医大卒業の若き4人の医師が出資して昭和48年に埼玉県で開院されました。
その10年後の昭和58年に神奈川県海老名市に現在の『海老名総合病院』が開院されました。
平成15年には、それまでの医療法人社団仁愛会を医療法人ジャパンメディカルアライアンスと名称変更し、その後平成21年には、県をまたいだ社会医療法人としては国内で初めて厚生労働大臣から認可を受けました。
平成15年当時、現在の海老名総合病院は東日本循環器病院という名称で、脳血管、心臓血管、糖尿病、腎臓病などの治療を行う専門性の高い病院でした。さらに周辺には老健や特養の施設が整備されていました。
同じく東埼玉総合病院の周辺においても居宅介護支援事業所ができており、その頃には急性期から介護までの一連のサービスを提供する体制が出来上がりつつありました。
そこで医療から福祉までの全てのサービスを一括して提供するグループとして、メディカルアライアンスと言う名称に変更したわけです。
この名称には、手を携えて「仁愛」の精神で地域貢献に向かっていこうと言う医療から介護、福祉までの連携の意味が込められています。
地域連携でヘルスケアネットワークを目指す
鄭氏:当法人の特徴は、急性期から介護まで一連のサービスが同一法人で提供できることです。つまり、少々大げさですがインテグレーテッド・ヘルスケア・ネットワークがひとつの法人の中で出来ているということです。
地域住民の方の誕生から人生の終末までのあらゆるシーンで、ジャパンメディカルアライアンスが貢献していけるようになりたいと考えています。
但しここで強調したいのは、この県央地域の他の医療機関と手を携え連携を取りながら取り組んでいきたいということです。地域医療は我々だけでは完結できません。
私共には「安心」「信頼」「共存」「「明るく、楽しく、面白く」という四つの行動基本指針があります。その「共存」こそはまさにそのことです。機能分化は地域の医療連携と共存があってこそ成り立ちます。
新しい病院が出来ると患者さんはどうしてもそこに集中してきます。今回の東埼玉総合病院を杉戸町から4km離れた幸手に新築移転した時でもそうでした。
そうなると地域の医療機関は大変なことになりますし、東埼玉総合病院にとっても機能分化が出来なくなりますので、患者さんには申し訳ないのですが紹介状をお願いして、地域の医療機関との連携を進めています。
森口敦 ドクタージャーナル東大生チーム・コーチ兼メンター