医療M&A仲介会社の選び方!重要視すべきは会社の大きさ?それとも実績?

<本連載について>
事業承継と聞くと、引退を迫られているようで前向きになれなかったり、何から着手すればよいのか分からなかったりで悩みや不安を抱えている方も多いと思います。本連載では「今日からはじめる事業承継」と題して、院長が抱える事業承継への不安を1つでも解消し、笑顔で事業承継を終えるために役立つ記事を発信していきます。

いざM&Aを検討してみようと思い立ったその矢先、理事長を悩ませる最初の障壁といっても過言ではないのがM&A仲介会社の選定です。「インターネットを開けば有象無象に出てくる多くの会社。【医療 M&A】と調べるだけで、完全成功報酬制、実績多数などキーワードがたくさん出てくるため、どこへ相談すればいいのか見当もつかない・・・」とここで立ち止まってしまう人も多いのが実情です。

理事長にとってもM&Aの検討は生涯で初めての事態でしょうから、信頼できる会社や担当者に病院・診療所の将来を一緒に考えて欲しいと思うのは自然な感情です。本日は「医療M&A仲介会社の選び方!」と題して、選定のポイントを解説します。

情報収集はセミナーがおすすめ、気軽に視聴して基礎知識を習得

情報収集の方法としておすすめしたいのはセミナーです。最近はWEBセミナーも増えてきましたので自身の予定に合わせて視聴できますし、何よりいきなり担当者との面談は少しハードルが高いという方も気軽にM&Aの基礎知識やトレンドを習得できるからです。

一般的なM&Aのセミナーでももちろん構わないのですが「病院や診療所のM&A」をテーマとしたセミナーに参加できればベターです。セミナーでは、M&Aとはそもそも何か・どうやってM&Aをやるのか・どれくらいの対価がもらえるのか・メリットデメリットはあるのか・成功事例など、初めて聞く方にも優しい内容で組まれていることが多く聞きやすいと思います。

セミナーに参加したらM&Aアドバイザーと直接話してみる機会を作ってみましょう。この時点では深く考える必要はありません。ご自身が悩んでいること、心配なことを率直に話せば大丈夫です。もちろん「M&Aをする」と決心している必要もありません。むしろ、子が承継をするかもしれないし、しないかもしれない、まだはっきりしないというあいまいな段階でも全く構わないと思います。

たとえば、

  • 子どもと上手くコミュニケーションが取れておらず承継の話ができない
  • 医師や看護師を含めた従業員の離職が続き、採用にも苦労していること
  • 施設の建て替えが必要になるかもしれないが資金の目処が立たないこと
  • 人口減少や競合医療機関の影響で、集患ができなくなり経営面で不安があること

などなど……話すことはM&Aに限らなくてもいいのです。

悩みを伝えてみれば、専門家の立場からアドバイスが得られます。相談を重ねる中でM&Aが良いという話になれば、法人評価やマッチング候補先のアイデアをもらうのもいいと思います。繰り返しになりますが、情報収集から始め「そんな方法もあるのだな!なるほど!」という場面があれば、より具体的に話を進めていくのがいいと思います。

M&Aは“経験”がモノをいう世界、「医療業界」での経験を確認せよ!

情報収集の段階では、いくつものM&A仲介会社に話を聞いてみると良いとお伝えしましたが、いざ本格的に検討を開始する場面になったら話は別です。M&A業務を依頼する仲介会社とアドバイザリー契約を結ぶときは、情報漏洩防止の観点からも1社に絞り込んで始めることをお勧めします。

絞り込みを行うときは「医療業界」での経験に着目すると良いでしょう。M&Aの交渉や手続きを進める過程では、大小含めて少なからず問題が生じます。そのような問題がトラブルに結びつくと、何か月もの時間を掛けたM&Aが途中で頓挫してしまうこともあります。

また、最悪なのは、問題があるにもかかわらずそれに気づかずに契約を結んでしまい、後からそれが発覚することです。例えばですが、理事長を退任するときに貰えるはずだった退職金が何かしらの条件付きで、実際はもらうことが出来なかったということもありえなくない話です。

そのような事態を避け、スムーズかつ確実なM&Aを実現するためにもっともポイントとなるのが、M&Aアドバイザー(M&A仲介会社の担当者)が持つ経験値です。それも、一般的なM&A業務経験ではなく、あくまでその業界(医療業界)での経験が重要です。

なぜなら、病院・診療所は会社法ではなく医療法に則って運営されており、人員基準や施設基準・社員総会・出資持分など、株式会社にはない多くの論点が存在するためです。

医療業界でのM&A経験が豊富にあれば、過去の事例をベースにして、そのM&Aの過程で交渉トラブルになったり、行政との対応で問題になったりするかもしれない潜在的な問題の可能性を、初期段階からかなり高い確度で予測・指摘することが可能になります。

実際のところ、M&Aにおいてトラブルの可能性がまったくない売り手は、ほぼありません。どの医療施設でも、多かれ少なかれ、M&Aでトラブルになりうる問題が必ずあります。しかし、問題があっても、それをあらかじめ予見して対応策を考えておけば、トラブルにはなりません。

会社の大きさではなく、個人やチームの能力が高いかを重視

多くのトラブルを予見できるのは成功・失敗含めて、多くの“引き出し”=経験とノウハウを持つアドバイザーだけと言えます。そしてその“引き出し”は、仲介会社の規模にもよりますが、会社単位で蓄積されるものではなく、担当者個人単位あるいは担当チーム単位で蓄積されると考えてください。そのため、アドバイザリーを選ぶ際には、ぜひその「担当者」あるいは「担当チーム」が、医療業界でのM&Aについてどれだけの経験があるのかを確認することをお勧めします。

それも「◯件の仲介実績があります」といった概要ではなく、自院と似たような状況の、どの病院とどの病院のM&Aを成功させたのか、そのときに注意したポイントや難しかったポイントはどこだったのか、あるいは、失敗したM&Aはあるのか、など、具体的な事例を話してもらうことが必要です。それらを、すらすらと答えられるのであれば、安心してまかせられるアドバイザーでしょう。

経験が重要とはいうものの・・・担当者の“真剣さ”もやっぱり大切

2つ目のポイントは、担当者が、自院のことや経営者の想いについて、どれだけ真剣に考えてくれるのか、という点です。理事長にとって、長年にわたって運営してきた自院を譲渡するにあたっては、手塩に掛けて育てた娘を嫁に出すような、あるいはそれ以上の想いがあるものです。

その想いを受け止めることなく「あなたの病院はこれくらいの価格になります。これだとこの相手さんと価格が合いますね」などと、言葉は悪いですが、単に譲渡価格の「数字合わせ」だけでマッチングさせようとするようなアドバイザーには要注意です。

あるいは、最初からM&Aありきの結論しか提示できないアドバイザーも、やはり理事長の想いを真剣に受け止めているとはいえません。逆に、M&A以外の選択肢も含めて提示してくれて、どれが理事長の想いを実現するのにもっとも最適なのかという観点から一緒に検討してくれるようなアドバイザーであれば安心できるでしょう。

今回はM&A仲介会社の選び方と題して、セミナーをはじめとして情報収集を行い、経験と真剣さを合わせもつアドバイザーやチームに相談を持ち掛けてみることをお勧めしました。

とは言うもののどこの会社に相談したら良いやらという理事長がいれば、医療業界のM&Aで経験と実績が豊富なファンドブックまでお問い合わせください。常時セミナーも開催しておりますのでお気軽にご相談いただければと思います。

【セミナー】30分でわかる病院・診療所の後継ぎの探し方

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本セミナーは「事業承継を考えてみよう」と思い立った日から何を準備してどのような手順で進めていけばよいのかを、わかりやすく30分で解説します。

病院を子どもに継いで欲しい方や、診療所の新しい後継者を探したい方に向け、承継の成功確率をUPさせるための準備物やステップ毎のポイントをまとめてお伝えします。
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株式会社fundbookの基本情報

会社名株式会社fundbook
ホームページhttps://fundbook.co.jp/
所在地東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー24F
TEL03-3591-5066
事業内容M&A仲介事業

fundbookは最先端のテクノロジーとアドバイザーの豊富な経験を融合した新しい形のM&Aを提供する会社です。2021年に創設された「ヘルスケアビジネス本部」には、病院・診療所の事業承継・M&Aを200件以上成約に導いてきたメンバーが揃い、業界最大級の経験と実績に基に安心と成果を提供します。M&Aに関するコラムやM&A事例なども多数紹介しています。

この記事の著者/編集者

西山賢太 株式会社fundbook アソシエイト 

株式会社fundbookヘルスケアビジネス本部所属。薬剤師・調理師・医療経営士。埼玉県済生会川口総合病院にて薬剤師としての実務経験を得た後、新たな視点で医療業界に貢献したいという思いから株式会社日本M&Aセンターへ入社。病院・診療所における事業承継やM&Aのほか、事業計画策定・病床機能転換など経営支援にも携わり、2021年株式会社fundbookへ参画。

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医療を未来へつなぐために「今日からはじめる事業承継」

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